常成福祉会の挑戦の歴史
History

平成2年1月26日

社会福祉法人常成福祉会 設立登記

従来の収容保護的な性格を排し、自由・自主・自律の精神を基調として真の人間性が尊重された生活の保障―ノーマライゼーション(常成)の実現―を目指して設立しました。そのため、採用したほぼすべての職員をあえて未経験者としました。

平成2年7月1日

身体障害者療護施設「丹沢レジデンシャルホーム」開所
身体障害者デイサービス「花鳥デイサービスセンター」開所

当時の入所施設は複数人部屋が主流でしたが、何度も神奈川県との交渉を重ね、丹沢レジデンシャルホームに個室をできる限り作りました。やむなく作った複数人部屋は、2人部屋を中心とし、将来的な一人部屋化を容易な作りとしました。このような入所施設の作りは当時大変めずらしく、また、身体障害者デイサービスもまだ少なかったことから、県外からも多くの見学者をお迎えしました。

丹沢レジデンシャルホームでは、居住者(入所者)の方々に自治会を結成していただき、専酒宣誓を取り交わし、それに基づく飲酒の自由化を図りました。

居住者さんと職員の有志で「蛍の会」を結成し、交通事故当事者による交通安全の啓もう活動を開始しました。職員は、重度の障害を負ったからこそ果たせる義務があるという居住者の方々の想いを後押ししました。

平成5年4月

自主事業として相談支援事業を開始

在宅の障害のある方々のニーズを把握して必要な支援につなげる、また、必要な社会資源を創造するため、相談支援の制度はまだありませんでしたが、自主事業として開始しました。平成15年には、障害者ケアマネジメント実践マニュアルを独自に作成し、発行しました。

平成8年4月

自律生活体験室の貸し出しを開始

新館のオープンに合わせて、キッチン、浴室、トイレなどすべて高さ調整ができる、またベッドサイドから浴室まで天井走行リフターを完備した、自律生活体験室の運用を開始し、地域で単身生活を目指す方の練習の場としました。施設を終の棲家とせず地域生活を目指す居住者の方々、家族と離れて単身生活を目指す在宅障害者の方々を後押しするための部屋です。何人もの方がこの部屋で練習し、地域での単身生活に挑戦してきました。

平成10年10月1日

緊急通報システム 稼働

単身生活を送る身体障害のある人の一番の不安は、何かあったときに一人ではどうにもならないことでした。これが、単身生活を始めるための大きなハードルであり、ご家族が単身生活に反対する要因でした。そのため、法人で緊急通報装置システムを用意し、単身生活を送る方への端末を無料で貸し出し、丹沢レジデンシャルホームで通報の受付を行い、法人内の相談支援事業所・居宅介護事業所がその方の協力者と一緒になって対応するシステムを作り、運用を開始しました。その後、携帯電話の普及により役割を終え、平成30年に終了しています。

平成17年6月

福祉サービス第三者評価受審(1回目)

平成16年に厚生労働省から「福祉サービス第三者評価事業に関する指針」が発出され、全国的に第三者評価を推進する機運が高まりました。神奈川県においても推進機構が設置されたことを受け、法人としてもそれに協力するため、評価者(評価をするために施設を訪れて調査する人)の研修を受け入れ、評価の実施体制整備に向けて協力しました。そして、神奈川県で初めて第三者評価を受審した社会福祉法人となりました。

平成21年4月1日

とかわサポートセンター 設置

当時は、障害のあるお子さんの放課後の過ごしの場は大変少なく、保護者の方から、働くために、親子の良い距離感を保つために放課後の預け先が欲しいという相談を沢山受けていたことから、法人で検討を重ね、ときの家の開設にこぎつけました。また、これまでは身体障害のある方を中心に支援を行ってきました(相談支援を除く)が、ときの家ではそのニーズの高さから、知的障害のあるお子さんも積極的に受け入れを開始しました。また、あわせて、花鳥地域生活支援センター(ヘルパー事業所)の事務所と丹沢自律生活センター総合相談室のサテライトも設置し、3つの機能を併せ持つ地域拠点として、「とかわサポートセンター」という総称を付けました。

とかわサポートセンターは、障害のある人もない人も一緒に暮らせる地域共生社会の実現に向けて、互いに知り合うことを目的に、地域交流事業を開始しました。これは、秦野市戸川西自治会と協働で行う事業で、3障害の当事者・家族会にも参画いただいて地域交流事業運営委員会を組織し、年に2回の交流のイベントを開催しています。地域のこどもたちを対象にした取り組みが多く、障害のある子もない子も一緒になって焼き芋を焼いたり、うどんを作ったりして同じ時間を過ごしています。こどもが集まると自然にそのお父さん、お母さんたちも参加するようになり、地域の人の輪が広がっています。

平成25年5月

みんなのサロンなつめ 設置

平成24年4月から秦野市障害者虐待防止センター事業を受託したことを契機に、社会的排除・社会的孤立の課題に取り組むため、地域の中で地域住民による課題解決と総合相談の実施を目指し、常設型サロンとして秦野市戸川のマンションの1室にオープンしました。隣に設置した障害者虐待防止センター事務所の相談員がコーディネーターとしてサロンを訪れる人たちのニーズを把握し、来訪者同士の出会いを演出しました。そこから住民を主体とした、「なつめ懇親会」が生まれ、地域に必要とされる活動を次々にスタートさせました。また、地域内の具体の様々な課題(単身高齢者問題、少年の非行問題など)についても意見交換し、地域の課題を地域の力で解決する地域づくりを推し進めました。そして、次第に誰もが足を運べる居場所として広く知られるようになりました。中にはサロンで知り合った方同士の支え合い活動が始まった例もありました。野菜やパンの販売、多くの趣味活動サークルの誕生で大変賑わいましたが、平成28年2月、マンションの取り壊しが急遽決まり、惜しまれながら閉所となりました。開催されていた活動の一部は、ときの家に場所を移して今でも住民主体で継続されています。

そして、令和の挑戦

身体障害のある方のグループホームの開設

車いすに乗っている方が利用するグループホームは、段差の解消や廊下の幅を広くするだけではなく、重量のある電動車いすでも安全に利用できる構造が求められることから、大都市部をのぞくと県内では大変めずらしい状況です。当法人でこれまで地域生活移行の支援をしてきた方は、主にバリアフリーのアパートを利用されてきましたが、アパートと施設の間にもう一つグループホームを設置して、そこでの経験を通じてアパートでの単身生活に挑戦する方を応援したいと考えています。また、当法人が作るグループホームですので、障害のある人もない人も生き生きとその人らしく暮らせる社会を作るための拠点としての役割も果たしていきたいと考えています。これからの常成福祉会の挑戦にご期待下さい!

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